「第4回SAKURAミーティング―新しい県民運動を考えるフォーラム―」を開催しました(平成30年4月7日)

4月7日(土)茨城県三の丸庁舎3階 共用会議室Aにて,「第4回SAKURAミーティング―新しい県民運動を考えるフォーラム―」を開催しました。

第4回目となる今回は,平成30年度から始まる茨城県の政策ビジョン「新しい茨城づくり」に向けて,ITという視点から県民運動や地域活動を考えるきっかけづくりとなることを目的とし,県内で先進的な取り組みを展開する団体やNPOの方々による講演とパネルディスカッションを行いました。



第1部では,常総市根新田町内会 事務局長・防災士の須賀 英雄さんから「命を守る自治会のITとネットワーク」というテーマでお話しいただきました。

根新田町内会では「SMS一斉送信システム」を導入しており,その防災対策について全国から注目されています。
平成27年9月に発生した関東・東北豪雨災害の際には,いち早く情報をショートメールで送信し,住民の避難に大きな効果を上げられました。また,町内会で独自に防災用ライブカメラを設置し,リアルタイムで河川の状況を確認することで,増水時の迅速な住民避難につながっています。このような活動についての映像資料や,実際のライブカメラ映像なども見せていただき,ITによる防災対策の有用性を教えていただきました。


そして,Code for Ibaraki 代表の佐藤 俊秀さんからは「データを活用した地域活動」というテーマでお話しいただきました。

Code for Ibarakiは,自治体オープンデータの推進や啓蒙など,ITによる豊かな暮らしの実現を目指した活動を行っている団体です。
市民や行政の課題解決への手段について,現状の一方通行な行政依存から「共創」へとシフトすることの重要性や,その関係性における組織間のつながりを作るためのオープンデータ・ITの存在について,具体的な例を用いて教えていただきました。「データ」というと難しい数字の世界と思われがちですが,芸術や身近な暮らしの中にもデータは活用されており,その実例などわかりやすく紹介していただきました。



第2部では,第1部で講演をしていただいたお二人に加え,折橋地域活性化プロジェクトチーム 事業サポーターの岡崎 靖さん,認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ 事務局長・いばらき未来基金事務局担当の大野 覚さん,NPO法人 取手アートプロジェクトオフィス 理事・事務局長の羽原 康恵さん,310食堂実行委員会 共同代表の横須賀 聡子さんにもご参加いただき,「幸せ日本一のいばらきに向けて」と題したパネルディスカッションを行いました。


  
折橋地域活性化プロジェクトチーム 事業サポーター 岡崎 靖さん   認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ
                     事務局長・いばらき未来基金事務局担当 大野 覚さん

  
NPO法人 取手アートプロジェクトオフィス              310食堂実行委員会 共同代表 横須賀 聡子さん
理事・事務局長 羽原 康恵さん


まず,各パネリストの方に活動を続ける際の苦労や課題についてお伺いしたところ,やはり人的・金銭的支援に関する問題が多く挙がりました。また,SNSを活用することで組織内でのコミュニケーションが円滑になり,対外的に活動を広めることが容易になったため,思わぬ支援を受けることもあるそうです。ITを活用することで大きなネットワークが形成され,活動に共感してもらえる機会が格段に増え,多方面からのアイデアや支援も集まりやすくなるとのことでした。



ITと一言でいえど,その中にはショートメールからオープンデータ,FacebookTwitterなどのSNSまで含まれます。では,実際の活動の中で,ITをどのように活用していけばよいのでしょうか。これについては,「活動する人も,活動の対象となる人も様々。誰に何を伝えたいのか,そこで適切なツールは何かをしっかりと考えることが重要。」という意見が多く上がりました。



今回のフォーラムでは,ITという言葉を難しく捉えず,身近で便利なツールのひとつとして有効活用することについて,登壇者の皆さまにお話しいただきました。
より一層豊かで実りある活動にするために,ITという視点から「新しい県民運動」を考えることは,とても意義のあることだと思います。
交流サルーンいばらきでは,今年度の寺子屋サルーンでもSNSや広報といったテーマを取り上げる予定です。ご興味のある方は,ぜひ参加してください。

最後に,講師及びパネリストの皆さま,そして足を運んでくださった皆さま,本当にありがとうございました。